「小学生が英検準2級を受けるのは早すぎる?」「どのくらい英語ができれば合格を目指せる?」と迷っていませんか?
英検準2級は高校中級程度とされているため、小学生にとって簡単な試験ではありません。英単語や文法だけでなく、長文読解・リスニング・ライティング・面接まで幅広い対策が必要です。
しかし、3級レベルの英語が身についており、本人が前向きに取り組める状態であれば、小学生でも準2級合格は十分に目指せます。
私は約25年間、子どもたちに英語を教えてきました。その経験から感じるのは、英検を受けるなら、小学生のうちに進められるところまで進めておくメリットは大きいということです。
中学生になると、部活動・塾・定期テスト・学校行事などで忙しくなり、英検対策が後回しになりやすくなります。保護者に勧められて仕方なく受験する状態では、やる気が続かず、不合格につながることも少なくありません。
一方、小学生は比較的時間を確保しやすく、先生や保護者のアドバイスを素直に受け入れながら学習できる子も多い時期です。
この記事では、小学生にとっての英検準2級の難易度、挑戦するメリット、受験を判断する目安、技能別の勉強法、おすすめ教材について解説します。
小学生に英検準2級は難しい?
結論からいうと、英検準2級は小学生にとって難易度の高い試験です。
英検公式では、準2級を高校中級程度としています。日常生活に必要な英語を理解し、使用する力が求められる級です。
ただし、「高校中級程度」というのは、必ず高校生にならなければ合格できないという意味ではありません。学年ではなく、必要な英語力が身についているかどうかで合否が決まります。
幼児期から英語に触れている子、英会話を続けている子、3級まで順調に取得してきた子であれば、小学生のうちに準2級へ進むことも可能です。
準2級の試験内容
英検準2級は、一次試験と二次試験に分かれています。
| 試験 | 内容 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 一次試験 | リーディング・ライティング | 80分 |
| 一次試験 | リスニング | 約25分 |
| 二次試験 | 面接形式のスピーキング | 約6分 |
2024年度から問題形式が一部リニューアルされ、ライティングはEメール問題と意見論述問題の2題になりました。
以前の教材ではEメール問題に対応していない場合があるため、教材を購入するときは、新形式対応と記載されているか確認しましょう。
小学生が難しいと感じやすい理由
小学生が英検準2級を難しいと感じる理由は、英語そのものの難しさだけではありません。
- 高校レベルの単語や熟語が出題される
- 長い英文を集中して読む必要がある
- 教育・環境・科学・仕事などの話題が出てくる
- 英語で自分の意見と理由を書く必要がある
- リスニング音声が一度しか流れない
- 二次試験で面接官の質問に英語で答える必要がある
特に、小学生には社会的なテーマを日本語でも説明しにくい場合があります。
たとえば、「環境を守るために企業は何をするべきか」と聞かれても、英語力以前に理由が思いつかないことがあります。
準2級対策では、英単語や文法だけでなく、身近な問題について自分の考えを整理する練習も必要です。
小学生のうちに英検準2級を目指すメリット
中学生より勉強時間を確保しやすい
小学生のうちに英検を受ける最大のメリットは、英検対策に使える時間を比較的確保しやすいことです。
中学生になると、部活動や定期テスト、塾の宿題、学校行事などが重なります。高校受験が近づけば、英検だけを優先して勉強するのはさらに難しくなります。
英語講師として多くの親子を見てきましたが、中学生になってから「英検も受けなければ」と言われても、本人にとっては負担が一つ増えたように感じられることがあります。
比較的余裕のある小学生のうちに、無理のない範囲で英検を進めておくことは、その後の負担軽減につながります。
アドバイスを受け入れながら学びやすい
もちろん個人差はありますが、小学生は先生や保護者と一緒に学習計画を立て、決められた練習を素直に続けやすい時期でもあります。
中学生になると、自分のやり方へのこだわりが出たり、保護者から勧められることに反発したりする場合があります。
小学生のうちに、単語を覚える、過去問を解く、間違いを直すという学習習慣を作っておけば、中学以降の英語学習にも役立つでしょう。
中学校の英語学習に余裕が生まれる
準2級を取得できる英語力が身についていれば、中学校で学ぶ単語や文法の多くを先取りしている状態になります。
学校の授業が復習になりやすく、定期テストや高校受験の英語にも余裕を持って取り組めます。
ただし、資格を取得することだけを目的にするのではなく、合格後も読む・聞く・書く・話す力を維持することが大切です。
中学受験で活用できる場合がある
学校によっては、中学入試で英検取得者に加点、試験免除、出願資格などの優遇制度を設けている場合があります。
ただし、必要な級や利用条件は学校・入試方式・年度によって異なります。準2級を持っていれば、すべての学校で有利になるわけではありません。
中学受験での活用を考えている場合は、必ず志望校の最新の募集要項を確認してください。
努力が自信につながる
高校中級程度とされる準2級に合格できれば、小学生にとって大きな成功体験になります。
「難しい問題でも、練習すればできるようになる」という自信は、英語以外の学習にも良い影響を与えるでしょう。
一方で、結果だけを強く求めると、不合格だったときに英語そのものが嫌になる可能性があります。合否だけでなく、以前より読める英文が増えたことや、単語を継続して覚えたことも評価してあげてください。
小学生の準2級受験をおすすめできる目安
小学生だから早すぎる、あるいは何歳までに取らなければならないという明確な基準はありません。
次の項目に多く当てはまる場合は、準2級への挑戦を検討してもよいでしょう。
- 英検3級に合格している
- 3級の過去問を余裕を持って解ける
- 英語の長文を読むことに強い抵抗がない
- 毎日15〜30分程度の学習を続けられる
- 本人が準2級を受けたいと思っている
- わからない問題があっても、すぐに諦めない
- 保護者や先生が学習をサポートできる
特に大切なのは、3級の内容が定着していることと、本人が前向きであることです。
3級にぎりぎりで合格した直後に、すぐ準2級の問題集へ進むと、単語や長文の難しさに圧倒される可能性があります。
まずは準2級の過去問を一度解き、現在地を確認してから受験時期を決めましょう。
英検を受け始める時期については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
英検受験の適齢期は小学校高学年だった!講師25年で見つけた成功術
無理に受験させるのは逆効果になることも
私は、小学生のうちに英検を進めておくことには賛成です。しかし、準備ができていない子を、保護者の希望だけで受験させることはおすすめしません。
中学生になって忙しくなった生徒のなかには、保護者に強く勧められて、あまり乗り気ではないまま英検を受けた子もいました。
本人にやる気がない状態では、単語学習や過去問練習が続きません。十分な準備ができないまま受験し、不合格によってさらに自信をなくすという悪循環に入ることもあります。
「早く取らせること」より、「合格に向けて自分から取り組める状態を作ること」の方が重要です。
受験を嫌がる場合は、次の回へ延期したり、一度3級の復習へ戻ったりしても構いません。
小学生が英検準2級に合格する勉強法
最初に過去問で現在地を確認する
準2級の勉強を始める前に、英検公式サイトで公開されている過去問を一度解いてみましょう。
最初から合格点を取る必要はありません。何ができて、何ができないのかを確認することが目的です。
- 単語がわからず読めない
- 英文を読むスピードが遅い
- リスニングが聞き取れない
- ライティングの書き方がわからない
- 時間内に最後まで解けない
弱点がわかれば、必要な対策に時間を使えます。
単語は短時間でも毎日取り組む
準2級では、3級よりも覚える単語や熟語が増えます。一度に大量に覚えようとすると、英単語学習そのものが嫌になりやすいため、毎日少しずつ続けましょう。
小学生の場合は、1日10〜20語程度から始めても構いません。
- 英単語と日本語の意味を確認する
- 音声を聞いて発音する
- 例文の中で使い方を見る
- 翌日と1週間後に復習する
一度で完璧に覚えるのではなく、何度も同じ単語に出会うことが重要です。
単語の覚え方に悩んでいる場合は、こちらの記事も参考にしてください。
長文はかたまりで読む
準2級の長文を一語ずつ日本語に訳していると、時間が足りなくなります。
主語と動詞を探しながら、意味のかたまりごとに読む練習をしましょう。
また、次の接続表現に注目すると、英文の流れをつかみやすくなります。
- and・also:同じ方向の内容が続く
- but・however:反対の内容に変わる
- because:理由が続く
- therefore・so:結果が続く
- for example:具体例が続く
わからない単語が一つあっても、すぐに止まる必要はありません。前後の文から大まかな意味を予想し、文章全体の内容をつかむことを優先しましょう。
リスニングは音読とセットで練習する
英検準2級のリスニング音声は、原則として一度だけ放送されます。
問題を解いて答え合わせをするだけでなく、聞き取れなかった部分をリスニング原稿で確認しましょう。
おすすめの練習方法は次のとおりです。
- 最初は原稿を見ずに問題を解く
- 答え合わせをする
- 原稿を見ながら音声を聞く
- 知らない単語や音のつながりを確認する
- 音声をまねして音読する
- もう一度、原稿を見ずに聞く
シャドーイングが難しい場合は、音声を一文ずつ止めてまねするリピーティングから始めても大丈夫です。
Eメール問題は3つの条件を確認する
2024年度から追加されたEメール問題では、海外の知人などから届いたメールを読み、40〜50語を目安に返信を書きます。
小学生が見落としやすいのは、英文の難しさよりも問題の指示です。
書き始める前に、次の3点を確認しましょう。
- 相手からの質問に答えているか
- 下線部分について質問を2つ書いているか
- 40〜50語を目安に書けているか
質問文には、次のような形を使えます。
- When did you ~?
- Where did you ~?
- Who did you ~ with?
- How long did you ~?
- What kind of ~?
毎回ゼロから考えるのではなく、自分が正しく使える質問文をいくつか覚えておきましょう。
意見論述は型を覚える
意見論述では、QUESTIONに対する自分の意見と理由を2つ、50〜60語を目安に書きます。
次の基本構成を覚えておくと、内容を整理しやすくなります。
【意見】
I think that ~.
【理由1】
First, ~.
For example, ~.
【理由2】
Second, ~.
Also, ~.
難しい文を書く必要はありません。質問に答え、理由を2つ書き、それぞれに短い説明を加えることを意識しましょう。
採点の考え方については、こちらの記事でも解説しています。
英検ライティングの採点は甘い?落ちる答案と合格しやすい書き方を解説
面接は流れを覚えて声に出す
一次試験に合格すると、二次試験では面接形式のスピーキングテストを受けます。
準2級の面接は約6分です。パッセージの音読、パッセージに関する質問、イラストについての質問、自分の意見を答える質問などがあります。
面接対策では、答えを頭の中で考えるだけでは不十分です。必ず声に出して練習しましょう。
- 入室から退室までの流れを確認する
- パッセージを時間内に黙読する
- 音読する
- 質問に一文以上で答える
- わからなくても黙り込まず、知っている英語で答える
保護者が面接官役になり、質問カードを使って練習するだけでも本番への不安を減らせます。
小学生の準2級対策におすすめの教材
教材は何冊も購入するより、単語帳・総合問題集・過去問をそれぞれ一冊ずつ選び、繰り返し使う方が効果的です。
英検準2級 でる順パス単
準2級で出題されやすい単語や熟語を、重要度順に学習できる単語帳です。
一度で全部覚えようとせず、音声を聞きながら何周も繰り返しましょう。単語帳だけでは覚えにくい子は、保護者がクイズを出したり、単語カードを併用したりすると続けやすくなります。
わからないをわかるにかえる英検準2級
説明が比較的やさしく、英検準2級の勉強を初めて行う小学生にも使いやすい教材です。
最初から過去問だけを解くのが難しい場合は、試験の形式や解き方を学ぶための導入教材として活用できます。
英検準2級 過去6回全問題集
本番に近い問題で練習できる過去問題集です。
購入するときは、2024年度からの新しいライティング形式に対応した最新版を選びましょう。
最初は技能ごとに分けて解き、試験が近づいたら時間を測って一回分を通して解く方法がおすすめです。
英検準2級 二次試験・面接完全予想問題
面接の流れや質問形式を確認しながら、実際に声を出して練習できる教材です。
一次試験の合格発表を待ってから始めると練習期間が短くなるため、一次試験後は結果を待たずに少しずつ面接対策を始めましょう。
教材を選ぶときの注意点
- 新しい試験形式に対応しているか
- 解説を子ども自身で理解できるか
- 音声をスマートフォンなどで再生できるか
- 問題量が多すぎないか
- 現在の英語力に合っているか
難しい教材を選ぶほど合格しやすくなるわけではありません。子どもが一人でも進められる教材を選び、必要な部分だけ保護者がサポートするのが理想です。
小学生の英検対策で保護者ができること
学習量より継続を優先する
小学生に毎日長時間の英検対策をさせると、英語そのものが嫌になる可能性があります。
平日は単語と音読を15〜30分、休日に過去問やライティングへ取り組むなど、無理なく続けられる計画を立てましょう。
結果ではなく過程を認める
模擬試験の点数が低くても、すぐに叱る必要はありません。
「前回より単語がわかるようになった」「最後まで長文を読めた」「50語書けた」など、具体的にできたことを伝えましょう。
小さな成長を本人が実感できると、次の学習への意欲につながります。
受験時期を柔軟に見直す
申し込みを考えていても、過去問の結果や本人の様子によっては、受験を一回延期する選択肢もあります。
小学生のうちに挑戦するメリットはありますが、急ぐあまり英語嫌いになってしまっては本末転倒です。
挑戦させることと、追い詰めることは違います。本人のやる気を引き出しながら、合格できる準備が整った時期を選びましょう。
英検準2級と準2級プラスの違い
2025年度から、準2級と2級の間に準2級プラスが新設されました。
準2級に合格した後、以前のようにすぐ2級を目指すだけでなく、準2級プラスを次の目標にするルートも選べます。
準2級に合格した小学生が2級の問題を難しく感じる場合は、無理に飛び級する必要はありません。準2級プラスをはさみ、段階的に英語力を伸ばす方法も検討しましょう。
小学生の英検準2級に関するよくある質問
何年生から準2級を受けられますか?
英検には年齢や学年による受験制限がありません。必要な英語力が身についていれば、何年生でも受験できます。
3級を受けずに準2級を受験できますか?
3級に合格していなくても、準2級を受験できます。
ただし、準2級は3級までの単語・文法・読解力を土台にした試験です。飛び級する場合でも、3級の過去問を解き、内容が身についているか確認しておきましょう。
小学生の準2級合格率はどのくらいですか?
小学生だけを対象とした準2級の最新合格率は、英検公式から一般向けに明確な形で公表されていません。
インターネット上にはさまざまな数字がありますが、出典や集計条件を確認できないものもあるため、合格率だけで受験を判断しない方がよいでしょう。
過去問で何点取れれば受験してもよいですか?
英検はCSEスコアで合否が判定されるため、過去問の正答数だけから本番の合否を正確に判断することはできません。
一回だけの結果ではなく、複数回の過去問で安定して得点できているか、ライティング2題を時間内に完成できるかも確認しましょう。
問題冊子にメモを書いてもいいですか?
問題冊子には書き込みができます。長文に線を引いたり、ライティングの理由をメモしたりしても構いません。
ただし、問題冊子に書いた答えは採点されないため、試験時間内に解答用紙へ記入する必要があります。
英検の問題冊子に書き込みしていい?メモ・持ち帰り・解答用紙の注意点
英検準2級は小学生でも合格を目指せる
英検準2級は高校中級程度とされ、小学生にとって簡単な試験ではありません。
しかし、3級までの基礎が身についており、本人が前向きに取り組めるのであれば、小学生でも合格を目指せます。
私が英語講師として多くの子どもたちを見てきて感じるのは、時間を確保しやすく、周囲の助言を受け入れながら学びやすい小学生の時期は、英検に挑戦する良いタイミングだということです。
中学生になってから慌てて受験させるより、小学生のうちから5級・4級・3級と段階的に進めておけば、準2級への挑戦も自然な流れになります。
ただし、取得時期だけを優先して無理をさせる必要はありません。子どもの英語力と気持ちを確認し、必要であれば受験を延期しながら進めましょう。
「受けさせる」のではなく、本人が「合格したい」と思える環境を作ることが、準2級合格への一番の近道です。


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