毎日バタバタで、「おうち英語をやりたい気持ちはあるけど、結局どれくらいやればいいの?」
そんな疑問を持つママはとても多いです。
- 1日何分やればいい?
- 週にどれくらい?
- 何年続けたら効果が出るの?
この記事では、研究データと25年以上の指導経験をもとに、 家庭でできる“現実的なおうち英語の学習量”をわかりやすく解説します。
家庭学習の現実的な目安
おうち英語にかける時間について
「たくさんやったほうがいいんでしょ?」
「時間は多ければ多いほど効果があるんじゃない?」
なんて思っていませんか?
もちろん、英語に触れる時間が多いほど身につきやすいのは事実です。
でも、毎日バタバタな家庭で無理な時間設定をしてしまうと、続かなくなってしまうのも正直なところ。
そこで、現実的な目安として考えたいのが、1日30分〜2時間程度。
「え、30分でいいの?」と思うかもしれませんが、毎日コツコツ続ける30分は、意外と大きな力になります。
週単位で見ると、10〜20時間くらいを目標にして、英語の音に慣れたり、英語表現を少しずつ増やしたりできれば、効果を感じやすくなってきます。
ただし、毎日きっちり同じ時間を取らなくても大丈夫。
平日は短め、休日に少し多めでも十分意味があります。
一番大切なのは、「理想の学習時間」を守るのではなく、このやり方なら続けられそう、と思えるかどうかです。
週1レッスンだけだと伸びにくい理由
「とりあえず、週1回オンライン英会話を入れているから大丈夫」
そう思っているママも多いと思います。
実はこれ、とても自然な考え方です。
でも、時間を冷静に計算してみると、少し見え方が変わってきます。
例えば、週1回25分のレッスンを1年間続けた場合、英語に触れる時間は約20時間ほど。60分レッスンでも、1年で約50時間前後にしかなりません。
「1年もやっているのに、思ったほど伸びない…」と感じるのは、決してママや子どもの努力不足ではなく、単純に英語に触れている量が少ないことが原因である場合がほとんどです。
オンライン英会話は、先生と1対1で話せるアウトプットの場として、とても優れたツールです。
ただし、アウトプットは、十分なインプットがあってこそ意味を持ちます。
英語の音や言い回しが頭にたまっていない状態で話そうとしても、言葉が出てこず、子どもにとっては「よく分からない」「楽しくない」時間になってしまいがちです。
だからこそ、家庭で足してあげたいのが、毎日の英語時間。
かけ流しや絵本、動画などで、少しずつでも英語に触れる時間を増やしてあげると、オンライン英会話の効果は一気に変わってきます。
週1レッスンは「ダメ」なのではなく、家庭でのインプットと組み合わせてこそ、本来の力を発揮するもの。
この視点を持つだけで、おうち英語の設計はぐっとラクになります。
効果が出るまで「何年?」の目安
おうち英語の「効果」は、いきなりペラペラと話せるようになることではありません。
「半年やってるのに全然話さない」
「1年続けたけど、英語で会話できてない」
こう感じて不安になるママは本当に多いのですが、それは決して失敗ではなく、ごく自然な成長過程です。
ここでは、おうち英語の変化の目安を段階ごとに解説します。
3ヶ月〜半年で起きる変化
この時期は、目に見えるアウトプットはまだ少なめですが、水面下ではしっかり準備が進んでいます。
- レッスンや英語時間に「慣れる」
- Hello や Bye-bye などの挨拶が出てくる
- Yes / No で反応できる
- 歌やフレーズを真似する回数が増える
「ちゃんと聞いてるのかな?」と不安になる時期ですが、耳は確実に育っているはずです。
1年で起きる変化
1年ほど続けると、少しずつ分かりやすい変化が出てきます。
- 英語の音が前より聞き取りやすくなる
- よく使うフレーズが自然に出てくる
- 分からないときに「I don’t know.」と言える
この段階では、「理解しているけど、まだ全部は話さない」といった状態の子がよくみられます。
2〜3年で起きる変化
ここまで続くと、英語の蓄積量に差が出始めます。
- 自分の言葉で少しずつ伝えようとする
- 短い文で気持ちや考えを言える
- 英語への抵抗感がほとんどなくなる
この時期から、家庭ごとの取り組み方による個人差がはっきりしてきます。
大切なのは、「いつ話せるか」だけを見るのではなく、以下のポイントに注目してみてください。
- 英語に慣れているか
- 聞くことを嫌がっていないか
- 英語時間が日常の一部になっているか
ママとしては、このような変化を一つひとつ拾ってあげることが大切です。
「ペラペラじゃない=効果がない」ではありません。
今見えている小さな変化が、数年後につながっていきます。
伸びる子の共通点は「インプット→アウトプットの順番」
英語学習というと、「話せるようになる=成果」と考えがちですよね。
実際、オンライン英会話や英語教室で子どもが英語を話している姿を見ると、「ちゃんと身についている気がする」と安心するママも多いと思います。
でも、子どもの英語力がじわじわ伸びていく家庭には、共通点があります。
それは、インプット(聞く・読む)を先に積み上げてから、アウトプット(話す・使う)に進んでいることです。
アウトプットは目に見えやすい。でも土台はインプット
アウトプット(話す・使う)は、成果が目に見えやすいのが特徴です。
「英語を話してる!」「発音がそれっぽい!」みたいに、変化が分かりやすいんですよね。
一方で、インプット(聞く・読む)は目に見えにくいので、「これって意味あるのかな?」と不安になりやすい部分でもあります。
でも実は、アウトプットの質を決めているのは、インプットの量と質です。
英語の音、リズム、よく使う言い回しが、頭の中にたまっていない状態で「話す」に入ると、子どもは戸惑いやすくなります。
インプットが足りないと「楽しくない」につながりやすい
インプットが十分でないままアウトプットを始めると、子どもの中でこんなことが起きやすくなります。
- 先生の言っていることが分からない
- 何を言えばいいか分からない
- 沈黙が続く
- 緊張して固まる
その結果、 「英語、楽しくない」「やりたくない」につながりがちです。
オンライン英会話や英語教室が「合わなかった」「続かなかった」という場合も、子どもの性格や能力の問題ではなく、始めるタイミングが早すぎただけだったのかもしれません。
年齢別に見る「インプットとアウトプットの黄金比」
子どもの成長段階によって、インプットとアウトプットのバランスは変わります。
この比率を目安にすると、無理なく伸ばしやすくなります。
年齢別|インプットとアウトプットの黄金比
| 年齢 | 黄金比(インプット:アウトプット) | この時期の考え方 |
| 0〜3歳 | 10:0 | とにかく聞く・見る。話させなくてOK |
| 4〜6歳 | 8:2 | インプット中心+少しずつ使う体験 |
| 7〜10歳 | 6:4 | 使う割合を増やしていく |
特に0〜6歳は、英語の音やリズムを自然に吸収しやすい時期です。
この時期にインプットがしっかり入っている子ほど、あとからアウトプットを始めたときの伸び方が大きく変わります。
「準備ができた子」ほどアウトプットの効果が跳ねる
十分なインプットがある子は、アウトプットの場でこうなりやすいです。
- 先生の話をなんとなく理解できる
- 知っている単語やフレーズが出てくる
- 「通じた!」という成功体験を得やすい
この小さな成功が積み重なると、「英語って楽しい」「もっと言ってみたい」との気持ちが育ちます。
だからこそ大切なのは、とにかく話させることではありません。
インプットで土台を作って、子どもが「分かる」「聞き取れる」「ちょっと言ってみたい」と感じ始めたタイミングでアウトプットを足していくほうが、結果的にうまくいきます。
忙しい家庭ほど「順番を守る」だけで失敗しにくくなる
英語学習は、早く始めた子が勝つ世界ではありません。
正しい順番で、無理なく、長く続けた家庭が伸びます。
インプットでしっかり土台を作り、そのあとにアウトプットを追加するといった順番を守るだけで、「英語が嫌いになってしまう」リスクをぐっと下げられます。
5. 年齢別:インプット/アウトプットの目安比率(黄金比)
おうち英語を考えるとき、「話せるようになる=成果」と考えてしまいがちですよね。
でも実は、伸びている子ほど「順番」を大事にしています。
それが、インプット → アウトプットという流れです。
英語は、いきなり話そうとしても出てきません。
まずは「聞いたことがある」「見たことがある」「なんとなく分かる」が積み重なって、
はじめて「言ってみようかな」に変わります。
そこで目安になるのが、年齢ごとの黄金比です。
年齢別|インプットとアウトプットの黄金比
| 年齢 | インプット:アウトプット | この時期の考え方 |
| 0〜3歳 | 10:0 | とにかく聞く・見る。話させなくてOK |
| 4〜6歳 | 8:2 | インプット中心+少しだけ使う体験 |
| 7〜10歳 | 6:4 | 使う割合を少しずつ増やす |
「アウトプットが少なすぎない?」と思うかもしれませんが、このくらいが無理なく、失敗しにくいラインです。
0〜3歳:10:0(インプットだけでOK)
この時期は、「英語を浴びせる時期」です。
正直、話せなくてもまったく問題ありません。
- 英語の歌を流す
- 絵本の音源をかける
- アニメをBGM代わりに流す
これだけで十分です。
集中していなくてもOK。聞いていないように見えても、耳はちゃんと育っています。
4〜6歳:8:2(少しずつアウトプット)
この年齢になると、マネしたり、知っている言葉を口に出したりする子が増えてきます。
でも、ここでも主役はインプット。
- 英語アニメやストーリーを見る
- 絵本を読む・聞く
- フォニックスに軽く触れる
その中で、セリフをマネしたり、歌を一緒に歌ったりして、とにかく知っている単語を言ってみるといいでしょう。
このような自然なアウトプットが出てくれば十分。「ちゃんと話せてない」と焦らなくて大丈夫です。
7〜10歳:6:4(アウトプットを増やす)
ここまでインプットが積み上がっていると、少しずつ「使う英語」に移行しやすくなります。
簡単な会話や独り言に英語が出て来ればしめたものです。
アウトプットの場で、聞き取れる力がある子どもは、伸び方がまったく違います。
じゃあ、何をやればいいの?
難しく考えなくてOK。ポイントはひとつだけです。
それは!年齢に合った比率で、毎日少しでも英語に触れること。
忙しかったら今日は絵本だけ!とか、かけ流しだけを効かせるとか調整してみてください。
ママやパパに時間や気持ちに余裕がある日は少し話してみるのもいいですよ!
おうち英語は、「たくさんやる」より「やめない」が勝ちます。
家庭で増やしやすい英語時間トップ3
「英語が大事なのは分かってるけど、時間が足りない」
これ、ほとんどのママが感じていることだと思います。
実は、英語時間を増やすために、特別なことをする必要はありません。
ポイントは、新しく時間を作ろうとしないこと。今の生活の中に、そっと英語を混ぜていくことです。
ここでは、忙しいママでも続けやすい「英語時間を増やしやすい方法」を3つ紹介します。
6-1. かけ流し(習慣化の要)
英語時間を一番ラクに増やせるのが、かけ流しです。
子どもがじっと聞いていなくても大丈夫。英語の音が生活の中にあるだけで、耳はちゃんと育っていきます。
おすすめなのは、朝の支度中、ごはんを作っている時間、車での移動中など、すでにある時間に英語を流すこと。
「今日は疲れたから何もしない日」でも、かけ流しだけはできる、という状態を作れると強いです。
特に3〜6歳頃は、歌だけでなく、会話やストーリーが入った音声や動画を流してあげると、「使われている英語」に自然と触れられます。
がんばって聞かせなくてOK。「流れている」が大事です。
6-2. 絵本・読み聞かせ(インプットの質が上がる)
英語絵本や読み聞かせは、インプットの質をぐっと引き上げてくれます。
単語を覚えるというより、「英語でお話を理解する」経験を積み重ねていくイメージです。
絵本を通して、語彙や表現が自然と増え、ストーリーを追う力も育ち、あとから「話したい」「使ってみたい」につながる大事な土台になります。
英語が苦手なママでも大丈夫。音源つきの絵本を使えば、再生ボタンを押すだけでOKです。
ママがそばで一緒に聞いている、という体験そのものが、子どもにとっては安心感につながります。
今は読めなくても、読み聞かせを続けていくことで、将来の「ひとり読み」や多読にも自然につながっていきます。
6-3. 教材・オンライン英会話(アウトプットの場)
インプットが少しずつたまってきたら、英語を「使う場」を作ってあげるのも大切です。
教材やオンライン英会話は、そのためのアウトプットの場になります。
ただし、ここで大事なのは期待しすぎないこと。オンライン英会話を始めたからといって、すぐに英語がペラペラになるわけではありません。
おすすめなのは、子ども向けに作られたサービスを選び、無理のない頻度で続けること。
週1回だけだと英語に触れる量が足りず、効果を感じにくいこともありますが、家庭のペースに合わせて調整してOKです。
オンライン英会話は、家庭でたまった英語を外で使ってみる場所だと考えると、気持ちもずいぶんラクになります。
失敗しない“学習量の作り方”テンプレ
「英語は量が大事」と聞くけれど、正直、毎日きっちり1時間なんて無理…と思いますよね。
仕事に家事に育児。今日は余裕ゼロ、なんて日も普通にあります。
だからこそ大切なのは、完璧な計画を立てることではなく、崩れにくい形を作ることです。
平日:30〜60分でOK(分割してもいい)
平日は、がんばりすぎなくて大丈夫です。
目安は1日30〜60分。ポイントは、「まとめてやろう」としないこと。
- 朝の支度中にかけ流し10〜15分
- 夕方に英語動画を15分
- 寝る前に絵本を1冊
こんなふうに細切れで足していくだけでも、ちゃんと英語時間は積み上がります。
休日:少し多めに足して、週10時間を目指す
平日が軽めでも、休日に少し足せば大丈夫。ここで意識したいのが週トータルで見るという考え方です。
- 車移動中に英語を流す
- 家で英語アニメを1本見る
- 家族で一緒に絵本タイム
これだけで、1日1〜2時間は意外と簡単に確保できます。
平日+休日を合わせて、週10時間前後を目安にできると、英語の土台がかなり安定してきます。
「ゼロの日を作らない」が最強のルール
英語学習がうまくいかなくなる一番の原因は、「今日はいいや」が何日も続いてしまうことです。
だから、どんなに忙しい日でも、かけ流しだけだったり、英語の歌1曲だけを聞いたり、または絵本1ページだけを読んだりするだけでOKなんです。
何か一つでも英語に触れられたらヨシ!としましょう。
また、オンライン英会話や教材も、「伸ばすため」だけでなく、やめないためのストッパーとして使う、という考え方もあります。
うまくいく家庭は「完璧」を目指していない
伸びている家庭ほど、実はとても現実的です。
できない日は無理せず、できる日に少し多めに英語に取り組むようにしてみてください。
ここで忘れてはいけないのが、完全にやめないことです。
この積み重ねが、1年後、2年後に大きな差になります。
おうち英語は短距離走ではなく、マラソン。続けられる形を作った家庭が、最後にちゃんと伸びています。
よくある質問
おうち英語について調べていると、だいたい同じところで悩んで、同じキーワードを検索するママが多いようです。
ここでは、実際によく聞かれる質問を、できるだけ分かりやすくまとめました。
Q. 2000時間って本当?そんなに必要なの?
よく聞きますよね、「英語は2000時間必要」って話。
結論から言うと、「英語がペラペラになる魔法の数字」ではありません。
この2000時間は、
英語をなんとなく理解できて、学びが加速し始める土台ができる目安だと考えると分かりやすいです。
つまり、2000時間=ゴールではなく、スタート地点。
ここまで積み上がると、「聞いたことがある」「見たことがある」が増えて、英語がグッと楽になります。
逆に言えば、
短期間で一気に結果を出そうとしなくていい、ということでもあります。
Q. かけ流しだけでいい?それで話せるようになる?
これも本当によく聞かれます。
答えは、 かけ流し“だけ”で話せるようになるわけではないけど、かけ流しは絶対に無駄じゃないです。
かけ流しは、英語の音・リズム・イントネーションを頭にためるためのもの。
特に3〜6歳頃は、「英語を理解しよう」と意識しなくても、耳が自然に育つ大事な時期です。
ただし、話せるようになるためには、絵本で意味を理解して、少しずつ使う場を作るといったステップが必要になります。
かけ流しは、土台作りの主役。それだけで完結させなくてOKです。
Q. 何歳からオンライン英会話がいい?
「早いほうがいいの?」と迷いますよね。
目安としては、5歳前後〜就学前後がひとつのタイミングです。
ただし、年齢よりも大事なのが、それまでにどれだけインプットがたまっているかが大切になります。
英語の音やフレーズにある程度慣れていないと、先生の言っていることが分からず、「楽しくない」「やりたくない」につながりやすくなります。
オンライン英会話は、インプットがある子ほど効果が跳ねやすいツール。焦らず、準備が整ってからで大丈夫です。
Q. 週1レッスンじゃダメ?
正直に言うと、週1回だけだと、伸びを実感しにくいのが現実です。
たとえば25分レッスンを週1回続けても、1年間でたまる時間は150時間前後。これだけで英語が身につくかというと、やっぱり足りません。
ただ、週1の英語レッスンに意味ないわけではありません。
週1回でもレッスンを受けることで、英語をやめないためのきっかけになり、アウトプットの入り口にもなります。
家庭でのかけ流しや絵本と組み合わせて、週3回以上英語に触れる形が作れると、伸び方が変わってきます。
迷ったら、ここに戻ってきてOK
おうち英語は、情報が多すぎて迷いやすい分野です。
少しずつでもコツコツと積み重ね、インプットとアウトプットを繰り返してみてください。
その上で、ゼロの日を作らないようにしましょう。
ここを押さえていれば、大きく失敗することはありません。
まとめ(行動に落とす)
完璧なバイリンガルを目指すほどの学習量は、家庭での英語学習には必要ありません。
大切なのは、無理なく続けられる量を、毎日の生活の中でコツコツ積み上げることです。
まずは、毎日30分英語に触れる時間を作り、余裕があれば週10時間前後を目安に調整していきましょう。
時間が取れない日があっても、ゼロにしないことが何より大切。
今日からできる一歩としては、かけ流しで英語を生活の中に置き、絵本で意味のあるインプットを積み重ね、余裕が出てきたらレッスンなどのアウトプットの場を足していく形がおすすめです。
完璧を目指さず、「これならできそう」という形を続けることが、結果的に一番の近道になります。


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