「英検ライティングは採点が甘い」という話を聞いたことはありませんか?
文法やスペルに自信がなくても意外と点数が取れたという人がいる一方で、簡単な英文を書いたのに思ったほど得点できなかったという人もいます。
結論からいうと、英検ライティングの採点が特別に甘いとは言い切れません。
英検では、スペルミス1つにつき何点減点されるといった詳しい採点方法を公表していません。多少のミスがあっただけで答案全体が0点になるとは限りませんが、内容・構成・語彙・文法といった観点から総合的に評価されます。
ただし、3級・準2級・2級の意見論述には、設問に沿って答えやすい基本の型があります。採点観点を理解して練習すれば、ライティングは対策の成果を得点につなげやすい分野といえるでしょう。
この記事では、英検ライティングの採点が甘いと感じられる理由や公式の採点観点、得点を落としやすい答案、合格につながる書き方を解説します。
英検ライティングの採点は本当に甘い?
英検ライティングについて「採点が甘い」といわれることがありますが、英検協会は採点が甘いとも、ミスを大目に見るとも公表していません。
また、英検ライティングを単純な減点方式と説明する公式情報も確認できません。
英作文では、主に次の観点から答案全体が評価されます。
- 内容
- 構成
- 語彙
- 文法
そのため、スペルや文法に多少のミスがあっても、設問にきちんと答え、分かりやすい構成で自分の考えを伝えられていれば、ほかの観点で評価される可能性があります。
反対に、文法やスペルが正しくても、質問に答えていなかったり、理由が自分の意見と矛盾していたりすると、内容や構成の評価につながりません。
ミスが少ないだけで高得点になるわけでも、ミスが1つあれば大幅に点数を失うわけでもないという点が、「採点が甘い」と感じられる理由の一つなのでしょう。
英検ライティングが点を取りやすいと感じる理由
英検ライティングが点を取りやすいと感じる人がいるのは、採点が甘いからとは限りません。
出題形式や採点観点を理解し、必要な対策をすれば、答え方に迷いにくくなることが関係しています。
採点されるポイントが公表されている
英検公式サイトでは、ライティングの採点観点と注意点が公表されています。
何を意識して書けばよいか事前に分かるため、対策の方向性を決めやすいのが特徴です。
単に難しい単語や複雑な文法を使うのではなく、設問に答える・理由を分かりやすく説明する・文章を適切につなぐといった基本を練習できます。
意見論述には基本の構成がある
3級・準2級・2級の意見論述では、質問に対する自分の意見と、その意見を支える理由を書くことが求められます。
級によって語数や難易度は異なりますが、基本的には次の順番でまとめられます。
- 自分の意見
- 1つ目の理由
- 1つ目の理由の説明や具体例
- 2つ目の理由
- 2つ目の理由の説明や具体例
- 結論
この流れを覚えておけば、本番で一から文章構成を考える負担を減らせます。
難しい英文を書かなくても答えられる
高得点を目指すからといって、必要以上に難しい単語や文法を使う必要はありません。
自信のない表現を無理に使うと、文法ミスや意味の伝わらない文章が増える可能性があります。
自分が正しく使える単語と文法で、質問に対する答えを明確に伝えることが大切です。
短くても意味の通じる英文を積み重ねれば、内容と構成を整えやすくなります。
英検ライティングの採点基準
英検の意見論述では、内容・構成・語彙・文法の4つの観点が示されています。
それぞれの評価内容を理解しておきましょう。
参照:英検公式サイト「ライティングテストの採点に関する観点および注意点」
内容
内容では、課題で求められている内容が答案に含まれているかが評価されます。
意見論述の場合は、質問に対する自分の意見と、その意見を支える理由を明確に書くことが重要です。
たとえば、「学生は部活動に参加すべきか」と聞かれているのに、自分の学校にある部活を紹介するだけでは、質問に答えたことになりません。
最初に質問をよく読み、「何について意見を求められているのか」を確認しましょう。
構成
構成では、英文の流れが分かりやすく、論理的に組み立てられているかが評価されます。
意見と理由を順番に並べるだけでなく、つながりを示す表現を使うと読みやすくなります。
- First,
- Second,
- For example,
- Also,
- Therefore,
- For these reasons,
ただし、接続表現を入れるだけで構成点が上がるわけではありません。前後の内容が自然につながっていることが大切です。
語彙
語彙では、課題に合った単語や表現を正しく使用できているかが評価されます。
同じ単語を何度も繰り返すより、意味を理解している範囲で表現を変えると、内容が伝わりやすくなります。
ただし、難しい単語を使おうとして意味を間違えるより、簡単でも正確な単語を使う方が安心です。
英語ではない単語を使う場合は、その言葉を知らない人にも意味が伝わるように英語で説明を添えましょう。
文法
文法では、文の構造を正しく使えているか、文のパターンに適度な変化があるかが評価されます。
同じ形の短文だけを繰り返すのではなく、学習した範囲で次のような表現を取り入れてみましょう。
- becauseを使って理由を説明する
- ifを使って条件を表す
- whenを使って時を表す
- 比較級を使って違いを表す
- 関係代名詞を使って情報を加える
ただし、複雑な文を無理に作る必要はありません。まずは、主語と動詞がそろった英文を正しく書くことを優先しましょう。
スペルミスや文法ミスは何点引かれる?
英検では、スペルミス1つにつき何点、文法ミス1つにつき何点という詳しい配点を公表していません。
そのため、「スペルを3つ間違えたら何点下がる」と正確に計算することはできません。
多少のスペルミスや文法ミスがあっただけで、答案全体が直ちに0点になるとは限りません。一方で、ミスが多く、採点者に意味が伝わらない場合は、語彙や文法だけでなく、内容の評価にも影響する可能性があります。
同じ単語のスペルを何度も間違えた場合
同じスペルミスを繰り返した場合の具体的な減点方法も、公表されていません。
ただし、同じ単語を何度も間違えると、答案全体で正確に語彙を使えていないと判断される可能性があります。
自信のない単語は、意味の近い簡単な単語へ言い換えるのも一つの方法です。
冠詞や複数形を間違えた場合
`a`や`the`の使い方、複数形の`s`、三単現の`s`なども文法に関係します。
1か所のミスだけで合否が決まるとは限りませんが、同じ種類のミスが何度も続くと評価に影響する可能性があります。
書き終わったら、主語と動詞・時制・単数と複数・冠詞を中心に見直しましょう。
英検ライティングで0点になることはある?
英検公式サイトでは、質問に答えていないと判断された場合、すべての観点で0点と採点されることがあると案内しています。
スペルミスよりも注意したいのが、設問から外れた内容を書くことです。
質問に答えていない
テーマに関連する英文を書いていても、質問に対する答えになっていなければ評価されないことがあります。
たとえば、「家族でスポーツをするべきか」と聞かれているのに、自分が好きなスポーツを紹介するだけでは不十分です。
まず、賛成・反対や自分の考えを明確に示し、その理由を書きましょう。
テーマと関係のない英文を書いている
覚えてきたテンプレートを無理に当てはめ、テーマと関係のない内容になっている答案も注意が必要です。
英検ライティングでは、英文をたくさん書くことより、与えられた質問や文章に対応していることが優先されます。
解答欄の外に書いている
英検の問題冊子には、解答欄の外に書かれたものは採点されないと記載されています。
文章の途中で解答欄が足りなくならないよう、語数と残りのスペースを確認しながら書きましょう。
2つある問題の片方を解き忘れている
2024年度第1回検定から、3級以上のライティングは2題になっています。
現在の主な出題形式は次のとおりです。
| 級 | 問題1 | 問題2 |
|---|---|---|
| 3級 | Eメール:15~25語 | 意見論述:25~35語 |
| 準2級 | Eメール:40~50語 | 意見論述:50~60語 |
| 2級 | 英文要約:45~55語 | 意見論述:80~100語 |
片方だけに集中し、もう一方を解き忘れると、その問題では得点できません。
試験開始後に解答用紙と問題冊子を確認し、ライティングが2題あることを忘れないようにしましょう。
参照:英検公式サイト「2024年度 実用英語技能検定 問題形式リニューアル」
英検ライティングで得点を落としやすい答案
0点にはならなくても、採点観点を満たせず得点を伸ばしにくい答案があります。
次のような書き方には注意しましょう。
理由が質問の答えになっていない
自分の意見を書いていても、理由がその意見を支えていなければ、説得力のある内容になりません。
最初に「賛成」と書いた場合は、賛成する理由だけを書きます。途中で反対意見を理由として挙げると、意見と内容が矛盾してしまいます。
理由が1つしかない
意見論述では、問題文で理由を2つ書くよう指定されることがあります。
理由を1つしか書かなければ、課題で求められた内容を十分に満たせません。
問題文の指示を読み、意見・理由の数・語数の目安を確認してから書き始めましょう。
個人的な経験だけで終わっている
自分の経験を具体例として使用することはできます。
ただし、「私は楽しかった」「私は以前やったことがある」と書くだけでは、質問に対する一般的な理由として十分に伝わらないことがあります。
個人的な経験を書く場合も、その経験からなぜ自分の意見を支持できるのか説明しましょう。
短すぎて必要な内容が入っていない
英検で示される語数は「目安」ですが、大幅に短い答案では、意見や理由、説明を十分に盛り込めない可能性があります。
語数だけを増やす必要はありませんが、指定された内容を含めると、自然に目安に近い長さになります。
難しい単語や文法を無理に使っている
難しい英語を使おうとして意味が通じなくなると、語彙や文法の評価に影響します。
高得点を狙う場合も、意味と使い方を理解している表現を選ぶことが基本です。
同じ表現を何度も繰り返している
`I think`や`good`など、同じ表現が何度も続くと単調な文章になります。
次のように、学習した範囲で言い換えを用意しておきましょう。
- good:helpful・useful・important
- many:a lot of・a large number of
- people can:it allows people to
- I think:I believe・In my opinion
ただし、言い換えによって不自然になる場合は、正確に使える表現を優先してください。
英検ライティングの基本の型
意見論述では、文章の基本構成を決めておくと、本番でも落ち着いて書き進められます。
次の形は、準2級や2級の意見論述を組み立てる際の基本例です。
I think that [自分の意見]. I have two reasons.
First, [理由1]. [説明または具体例].
Second, [理由2]. [説明または具体例].
For these reasons, I think that [自分の意見].
3級では語数が25~35語と短いため、同じ型をすべて入れると長くなる場合があります。
次のように、意見と2つの理由を簡潔にまとめるとよいでしょう。
I like [答え]. First, [理由1]. Second, [理由2].
型は文章を整理するために役立ちますが、どの問題にも同じ英文をそのまま書くためのものではありません。
質問に合わせて意見と理由を変え、自然な英文になるよう調整しましょう。
型だけでは対応できない問題もある
現在の英検ライティングには、意見論述以外の問題もあります。
Eメールや英文要約では、意見論述のテンプレートをそのまま使用できません。
3級のEメール
3級のEメールでは、外国人の友達から届いたメールを読み、メール内の2つの質問に答えます。
2026年度の問題では、返信部分の語数の目安は15~25語です。
聞かれた2つの質問に漏れなく答えることが重要です。
準2級のEメール
準2級では、相手からの質問に答えるだけでなく、下線部について理解を深めるための具体的な質問を2つ書くよう求められます。
語数の目安は40~50語です。
相手の質問への回答と、自分から尋ねる2つの質問を忘れないようにしましょう。
2級の英文要約
2級の英文要約では、提示された英文の内容を45~55語の英語でまとめます。
自分の意見を書く問題ではありません。本文の主題や重要なポイントを読み取り、具体例を整理しながら要約します。
本文にない意見を加えたり、一部分だけを詳しく書いたりすると、適切な要約になりません。
2級の詳しい対策は、以下の記事も参考にしてください。
英検2級ライティング攻略ガイド|試験概要から合格のコツまで徹底解説
合格につながりやすい書き方のコツ
英検ライティングで安定して得点するには、難しい英文を暗記するより、採点観点に沿った練習を繰り返すことが大切です。
最初に設問の条件を確認する
英文を書く前に、次の点を確認しましょう。
- 何について答えるのか
- 自分の意見が必要か
- 理由はいくつ必要か
- 相手から何を質問されているか
- 要約か意見論述か
- 語数の目安は何語か
設問の条件を問題冊子に丸で囲み、書き忘れを防ぐ方法も有効です。
英検の問題冊子に書き込みしていい?メモ・持ち帰り・解答用紙の注意点
書く前に日本語で理由を2つ考える
最初から英語を書き始めると、途中で理由が思い浮かばなくなることがあります。
問題冊子の余白に、日本語や簡単な英単語で理由を2つメモしてから書き始めましょう。
自分が英語で説明しやすい理由を選ぶことも大切です。
理由に説明や具体例を加える
「便利だから」「楽しいから」だけでは、理由が十分に伝わりません。
なぜ便利なのか、誰にとって役立つのか、どのような場面で効果があるのかを1文加えましょう。
たとえば、オンライン学習に賛成する理由なら、次のように説明できます。
First, students can study anywhere. For example, they can take lessons at home.
具体的な説明を加えると、内容が分かりやすくなり、必要な語数にも近づきます。
書き終わったら条件と英文を見直す
見直しでは、細かなスペルだけでなく、設問の条件を満たしているか確認しましょう。
- 質問に答えているか
- 理由を指定された数だけ書いたか
- 自分の意見と理由が矛盾していないか
- 2題とも解答したか
- 主語と動詞があるか
- 時制が途中で変わっていないか
- 単数と複数を間違えていないか
- 語数が目安から大きく外れていないか
- 解答欄の中に書いているか
スペルだけを見直して、肝心の質問に答えていない状態を見落とさないことが重要です。
英検ライティングの採点に関するよくある質問
最後に、英検ライティングの採点についてよくある疑問に回答します。
スペルミスがあっても合格できる?
スペルミスが1つあるだけで、英検全体が不合格になるわけではありません。
ただし、ミスの数や答案全体への影響に関する詳しい採点方法は公表されていません。意味が伝わらないほどミスが多い場合は、評価に影響する可能性があります。
簡単な英語だけでも点数は取れる?
簡単な英語でも、質問に答え、内容が正しく伝わる文章なら評価につながります。
ただし、同じ単語や同じ文型だけを繰り返すと、語彙や文法の面で十分な評価を得にくくなる可能性があります。
まずは正確さを優先し、慣れてきたら使える表現を少しずつ増やしましょう。
語数が足りないと0点になる?
英検が示している語数は目安です。語数が少ないだけで必ず0点になるとは公表されていません。
ただし、大幅に短い答案では、求められた意見・理由・説明を十分に含めにくくなります。できる限り語数の目安に近づけましょう。
テンプレートを使うと減点される?
文章構成を整えるために、基本の型を利用すること自体は問題ありません。
ただし、暗記した英文をそのまま書き、質問と関係のない内容になれば、得点にはつながりません。
テンプレートは、意見や理由を入れるための枠組みとして使用しましょう。
字が汚いと減点される?
英検公式サイトでは、文字をはっきりと分かりやすく、濃く書くよう案内しています。
美しい字を書く必要はありませんが、`a`と`o`、数字の`1`と小文字の`l`などを判別できるように書きましょう。
英検ライティングの採点は甘い?まとめ
英検ライティングは、採点が特別に甘いとは言い切れません。
スペルや文法のミスについて、1つにつき何点減点されるといった詳しい採点方法は公表されておらず、内容・構成・語彙・文法などの観点から総合的に評価されます。
多少のミスを恐れるあまり、短すぎる答案や質問に答えていない答案にならないよう注意しましょう。
英検ライティングで特に大切なポイントは、次のとおりです。
- 質問に正しく答える
- 指定された数の理由を書く
- 意見と理由を矛盾させない
- 内容を分かりやすい順番で並べる
- 自分が正しく使える語彙と文法を選ぶ
- Eメールや要約では、それぞれの指示に従う
- ライティング2題の両方に解答する
- 最後に条件と英文を見直す
英検ライティングは、出題形式と採点観点を理解すれば、練習の成果を発揮しやすい分野です。
「難しい英文を書かなければ」と身構えすぎず、まずは質問に沿った内容を、正確で伝わりやすい英語で書くことから始めましょう。

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